今日11月5日は「世界津波の日」です。「世界津波の日」とはどんな日なのか?そして、なぜ11月5日が「世界津波の日」なのでしょうか?解説して行きます。
世界津波の日とは?
「世界津波の日」2015年に国連総会本会議で決定されました。この「世界津波の日」を提案したのは繰り返し津波で大きな被害が出てきた日本です。
日本は世界の中でも津波被害が多く、ここ100年ほど(明治以降)でも以下のように繰り返し大きな被害が出ています。
明治以降の主な津波被害
・2011年 東日本大震災
・1993年 北海道南西沖地震
・1983年 日本海中部地震
・1952年 十勝沖地震
・1946年 昭和南海地震
・1944年 昭和東南海地震
・1940年 積丹半島沖地震
・1933年 昭和三陸地震
・1923年 関東大震災
・1896年 明治三陸地震
そんな日本では東日本大震災を受けて2011年に11月5日を「津波防災の日」と定めました。その後、2015年に国連総会に提案し、「世界津波の日」と決定しました。
世界津波の日が11月5日なワケ
ではなぜ11月5日が「津波防災の日」となり、その後「世界防災の日」になったのでしょうか?東日本大震災の後に決めたのになぜ3月11日じゃないのか?と疑問に思っている人も多いと思います。
実は11月5日は津波“防災”にとって非常に重要な出来事が起きた日だったんです。
安政南海地震
1854年11月5日、南海トラフの西側を震源とするM8.4の巨大地震が発生しました。この32時間前には南海トラフの東側でM8.4の「安政東海地震」が発生しています。
この地震では特に和歌山県や高知県が津波が高く、和歌山県で15m、高知県で16mを超えました。しかし和歌山県では前日に発生した安政東海地震の揺れと津波を経験しているため、被害を軽減させることができた地域もありました。
そして、その中に「津波防災の日」後の「世界津波の日」のきっかけになった出来事もありました。
紀伊広村「稲むらの火」
和歌山県の紀伊広村では「稲むらの火」と呼ばれ語り継がれている出来事があります。紀伊広村では前日に発生した「安政東海地震」とは比べ物にならないような激しい揺れを感じました。
高台に住む住人、五兵衛は激しい揺れを感じた後、海の水が引いていくのを見て(このように津波の前に水が引いたという証言から「津波の前は水が引く」と言われますが、いきなり大きな来ることもあります)大きな津波がくると感じました。津波がくることを村人に知らせるため、五兵衛は自らの「稲むら」に火をつけました。この火を火事だと思った村人が高台に集まったところ、村は津波の飲み込まれました。五兵衛の瞬時の判断が多くの人のいのつを救ったのです。
この「稲むらの火」があった11月5日が今、世界津波の日となりました。