噴火速報って何?どんな時に発表される?~御嶽山噴火の教訓~

 2019年1月17日午前9時すぎ、鹿児島県の口永良部島に噴火速報が発表されました。「噴火速報」という言葉を聞きなれない方も多いのではないでしょうか?噴火速報とは何なのか解説します。

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出典:気象庁

 

噴火速報とは?

2014年9月28日正午前、長野県と岐阜県の県境にある御嶽山が突然噴火しました。この噴火で火口付近にいた50人以上が犠牲になりました。火山災害としては戦後最悪です。この噴火を受け、火山が噴火した事実を登山者や山の周辺にいる人にいち早く伝えようと2015年に運用が始まったのが噴火速報です。

噴火速報の発表条件

噴火速報の発表の基準は大きく分けて2つあります。

発表条件1

一定期間噴火が発生していない火山で噴火が発生した場合

発表条件2

噴火が続いている状況で、さらに規模の大きな噴火が発生した場合

 

しかし、鹿児島県の桜島など噴火警戒レベルなどにかかわらず、規制がしかれている火山では、一定期間噴火が発生していなかった場合でも、警戒していた規模よりも小さければ噴火速報は発表されません。

噴火速報が出されなかった“草津白根山噴火”

2018年1月23日、群馬県の草津白根山で噴火が発生しました。この時、噴火警戒レベルは1(活火山であることに留意)で噴火速報の発表条件を満たしていました。

 

しかし、この噴火で噴火速報が発表されることはありませんでした。

 

その大きな理由は、全くの想定外の場所から噴火したことでした。これまで噴火は白根山の湯釜付近で発生すると考えられていて、過去には実際にこちらで噴火が発生していました。そんな中、全くのノーマークだった本白根山から噴火したため状況の把握に時間がかかってしまったことでした。噴火速報は気象庁のカメラで噴火をとらえた場合や空振(噴火の衝撃波)によって噴火したとみられる場合に発表しますが、この時、本白根山を田らえたカメラがなかったため、噴火速報は発表されませんでした。

 

その後、噴火速報は確実な情報がなくても、噴火した可能性があると判断した場合に発表するよう判断基準が変更されました。もし、また同じように、想定外の場所で噴火が発生した場合は、噴火速報が発表されるでしょう。

まとめ

噴火速報は山の中腹や山の外にいる人に向けた情報で、火口付近にいる人には間に合いません。火山に上るときは噴火警戒レベルが低くてもヘルメットを持参するなど、万が一に備えましょう。

 

 

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