九州北部を流れる筑後川は、過去に何度も氾濫を繰り返してきました。特に昭和28年の大水害は、このページで紹介する浸水想定に匹敵する範囲が浸水しました。もしも今、筑後川で大規模な水害が起きたら、どこでどのような被害が出るのでしょうか?
はじめに
ハザードマップは、様々な可能性を考えて作成されていますが、前提条件を上回る大雨となった場合は、想定以上の大きな被害が出る可能性があります。ハザードマップを見る時の注意点はこちらの記事で詳しく解説しています。
また、筑後川の洪水ハザードマップは、1000年に一度という最悪クラスの大雨を前提として作られています。そのため雨量などによっては、実際の浸水範囲はこの想定よりも狭くなる可能性もあります。この浸水想定を見て避難を諦めないようしてください。
筑後川の洪水ハザードマップ
浸水想定マップ
これは筑後川で起こりうる最悪クラスの水害の想定です。この想定は筑後川上流域の48時間降水量が810mmに達した場合を想定しています。
1000年に一度の頻度で発生する最悪クラスの想定ですが、48時間雨量が810mmを超えた場合はこの想定を上回る浸水が発生する可能性があるほか、一部の支流で発生する氾濫は想定に組み込まれていないことにも注意が必要です。
浸水する市町村
福岡県
柳川市、大川市、筑後市、久留米市、小郡市、朝倉市、うきは市、大木町、大刀洗町
佐賀県
佐賀市、神埼市、鳥栖市、吉野ヶ里町、上峰町、みやき町
大分県
日田市、小国町
公表された具体的な想定
浸水範囲と深さ
出典:国土交通省 九州地方整備局「筑後川水系 洪水浸水想定区域図」
筑後川が大規模に氾濫した場合、上流にあたる大分県では浸水の深さが10mを超えると想定されている場所もあります。中流〜下流の福岡県や佐賀県では広範囲が浸水する可能性があり、川から5km以上離れた場所にまで水が到達する可能性もあります。特に中流部では川から数km離れた地域でも2階が水没する可能性があります。
浸水継続時間
出典:国土交通省 九州地方整備局「筑後川水系 洪水浸水想定区域図」
筑後川が氾濫すると、非常に広い範囲が長時間に渡って浸水します。上の地図でオレンジ色になっている地域は3日〜1週間ほど水が引かない可能性があります。また、黄色の地域でも丸1日以上、浸水した状態が続くと想定されています。事前に浸水しない場所に避難するか、長時間に渡って孤立することも想定して、食料などを多めに備蓄しておくことも考えてください。
具体的にどの程度備えればいいのかは、こちらの記事をご覧ください。
» 防災グッズ6選。無いと本当に困る防災グッズだけを集めました。
各市町村のハザードマップ
各市町村の詳しいハザードマップはこちらの『わがまちハザードマップ(国土交通省)』から閲覧できます。
パソコンの場合
右の都道府県選択から、ハザードマップを探したい都道府県を選択、見たい市町村をクリックすると各ハザードマップへアクセスできます。
スマホの場合
右上の「地域選択」をタップし、ハザードマップを探したい都道府県を選択、見たい市町村を選択すると各ハザードマップへアクセスできます。
まとめ
筑後川では、過去にも繰り返し水害が発生しています。最近では2020年の7月にも氾濫し大きな被害が出ました。今一度、どのタイミングで避難するのか、どこに避難すればいいのか、確認してみてください。
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