地震予知の定義を知っていますか?デマを見分ける3つのポイント

地震予知の定義

「◯月◯日の◯時◯◯分に大地震が起きる」こんな話を一度くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか?しかし、これは全てデマです。地震予知がどんなものかを正しく知っていれば、このような根拠のない情報に振り回されることも無くなります。地震予知の定義を詳しく見ていきましょう。

 

キーワード1:いつ

地震予知の最初のキーワードは「いつ」です。大抵の「自称・地震予知」にはこの情報が含まれています。2018年の4月18日や2019年の5月11日などでも話題になりました。しかし、今の技術ではこのように日にちを特定することはできません。ピンポイントで日時を指定している情報は全てデマです。

 

また「今年中に南海トラフ巨大地震が起きる」「近いうちに大地震が起きる」という情報も地震予知とは言いません。このような情報が出ても具体的な時間がわからないと対策のうちようがなく、地震予知としての意味をなさないからです。

 

地震予知と言うためには「いつ」と言う情報を数日以内、広くても1週間以内の誤差で提示することが必要です。ちなみに、当たり前ですが、適当に言っているものは地震予知とは言いません。科学的根拠が必要です。

キーワード2:どこで

地震予知の2つ目のキーワードは「どこで」です。数日以内に日本のどこかで大地震が起きると言われても、範囲が広すぎてどうすることもできません。よくSNSなどで出てくる地震予知でも「北海道か南海トラフか九州」というように範囲を広く指定しているものがありますが、地震予知と言うためには最低でも都道府県レベルで場所を示す必要があります。「日本のどこか」「内陸部」などという抽象的な表現では地震よてとはいえません。日本は地震大国なので、日本のどこかといえば必然的に当たる確率は高くなりますが、対策の取りようがないので当たっても価値はありません。

キーワード3:どれくらい

地震予知の3つ目のキーワードが「どれくらい」です。これは地震の規模のことです。地震予知と言うためには「マグニチュード◯程度」と示す必要があります。「大きな地震」「巨大地震」と言う表現では地震予知とはいえません。またマグニチュード4〜5程度以下の地震は日本ではほぼ毎日にように発生しているのに加え、被害はほとんど出ないので地震予知としての意味をなしません。地震予知と言うためにはマグニチュード6〜7程度以上の地震の規模をほぼピンポイントで示す必要があるのです。

デマを流すことは犯罪

デマを流すことは法律によって禁止されており、最悪逮捕されることもあります。

刑法233条

虚偽の風説を流布し,又は偽計を用いて,人の信用を毀損し,又はその業務を妨害した者は,三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

 熊本地震では「動物園からライオンが逃げ出した」と言うデマを流した男が実際に逮捕されました。「大事な情報だからみんなに教えてあげないと」と思う気持ちもわかりますが、少なくとも日付を特定した地震予知は不可能です。このような情報を見ても絶対に信じないでください。

「地震が起きない」と言ってない

まれに「◯月◯日に地震が起きると言うのはデマです」と言うと飛躍して「地震は起きない」と解釈する人がいます。しかし、これは「“この日に地震が起きる”と言うことができない」と言っているだけであって、地震が起きないとは言っていません。SNSなどで流れてくる地震予知はデマですが、その日に大地震が起きることも十分に考えられます。いつ地震が起きてもいいように対策をするしかありません。

 

地震関連のおすすめ記事