木曽川・長良川・揖斐川ハザードマップ「木曽三川が氾濫したらどうなるのか」

名古屋周辺洪水ハザードマップ

2019年の台風19号では関東甲信越や東北を中心に大規模河川の氾濫や堤防の決壊が相次ぎましたが、同じようなことは東海地方でも起きる可能性があります。特に木曽三川(木曽川・長良川・揖斐川)が流れる愛知・岐阜・三重の県境付近、さらに庄内川などが流れる名古屋周辺も特に危険度が高い地域です。これらの川が氾濫すると想像を絶するような被害が出ます。

木曽川

浸水想定マップ

木曽川ハザードマップ

これは木曽川で起こりうる最悪クラスの水害の想定です。この想定は木曽川流域の48時間降水量が527mmに達した場合を想定しています。木曽川が氾濫すると愛知県を中心に浸水面積が広くなり、名古屋の西部でも浸水する場所があります。また上流部では浸水する深さが10mを超えると想定されています。

 

これは最悪クラスの想定ですが、48時間雨量が527mmを超えた場合はこの想定を上回る浸水が発生する可能性があるほか、支流で発生する氾濫は想定されていないことにも注意が必要です。

浸水する市町村

愛知県では名古屋市、一宮市、津島市、犬山市、江南市、小牧市、 稲沢市、岩倉市、愛西市、清須市、北名古屋市、弥富市、あま市、 大口町、扶桑町、大治町、蟹江町、飛島村

 

岐阜県では岐阜市、羽島市、美濃加茂市、各務原市、可児市、海津市、岐南町、 笠松町、坂祝町

 

三重県では桑名市、木曽岬町

浸水が続く時間

木曽川浸水継続時間ハザードマップ

木曽川が氾濫すると広範囲にわたる浸水が長期間にわたって続きます。特に下流では1週間以上にわたって浸水が続く場所も多く、名古屋市などでも約2週間にわたって浸水が続きます。また、木曽川と長良川の間は1週間以上水没した状態が続くと想定されています。浸水範囲が非常に広いため救助にも時間がかかると考えられていて、それを前提にした備蓄が必要になります。具体的にどの程度備えればいいのかは「防災グッズ6選。無いと本当に困る防災グッズだけを集めました。」をご覧ください。

長良川

浸水想定マップ

長良川ハザードマップ

これは長良川で起こりうる最悪クラスの水害の想定です。この想定は長良川流域の24時間降水量が421mmに達した場合を想定しています。長良川が氾濫すると木曽川から揖斐川の間のエリアがほとんど浸水すると想定されています。また、広範囲で5m以上という2階が水没するレベルの浸水が想定されています。

 

これは最悪クラスの想定ですが、24時間雨量が421mmを超えた場合はこの想定を上回る浸水が発生する可能性があるほか、支流で発生する氾濫は想定されていないことにも注意が必要です。

浸水する市町村

愛知県では愛西市

 

岐阜県では岐阜市、大垣市、羽島市、各務原市、瑞穂市、本巣市、海津市、岐南町、 笠松町、養老町、輪之内町、安八町、北方町

 

三重県では桑名市

浸水が続く時間

長良川浸水継続時間ハザードマップ

長良川が氾濫すると長期間にわたって浸水が続きます。1日で水が引く場所はほとんどなく、上流では1週間程度、下流では2週間程度浸水が続くと想定されています。また輪之内町では2週間以上水が引かない可能性もあると想定されています。事前に安全な場所に避難するか、救助が来るまでの間を生き延びるだけの備蓄が必要になります。

揖斐川

浸水想定マップ

揖保川ハザードマップ

これは揖斐川で起こりうる最悪クラスの水害の想定です。この想定は揖斐川流域の48時間降水量が667mmに達した場合を想定しています。揖斐川の氾濫では浸水するエリアのほとんどで2階の天井を超える浸水が想定されています。また揖斐川と長良川の間の地域はほとんど水没する可能性があります。

 

これは最悪クラスの想定ですが、48時間雨量が667mmを超えた場合はこの想定を上回る浸水が発生する可能性があるほか、支流で発生する氾濫は想定されていないことにも注意が必要です。

浸水する市町村

岐阜県では岐阜市、大垣市、羽島市、瑞穂市、本巣市、海津市、養老町、神戸町、 輪之内町、安八町、揖斐川町、大野町、池田町、北方町

 

三重県では桑名市

浸水が続く時間

揖保川浸水継続時間ハザードマップ

揖斐川が氾濫すると岐阜県を中心に長期間にわたって浸水が続きます。広い範囲で1週間程度浸水が続き、揖斐川と長良川の間の地域では2週間程度、場所によっては最大1か月も水が引かない状態が続く可能性があります。氾濫する前に早めに川から離れた安全な場所に避難するか、長期間孤立することを前提とした大量の備蓄が必要です。

まとめ

 このように木曽川や長良川、揖斐川が氾濫すると川から離れた名古屋などにも水が押し寄せ大きな被害が出ます。木曽三川では近年大規模な水がが発生していないため「自分は大丈夫」と思っている人も多いかもしれませんが、国内でもトップクラスに危険な場所です。川からの距離で危険か安全かを判断するのではなく、川より標高が高いのか低いのかを意識して、自分の住んでいる場所が本当に安全か確認してみてください。

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