被害が集中した“震度7の帯” ~阪神淡路大震災~

震度7

気象庁|阪神・淡路大震災

 

 1995年の阪神淡路大震災では震度7の地域が幅約1km、長さ約20kmの帯状に分布しました。なぜこのような奇妙な現象が起きたのでしょうか?

阪神淡路大震災

阪神淡路大震災とは1995年1月7日午前5時46分に本州と淡路島の間を震源とする兵庫県南部地震(M7.2)によって引き起こされた災害を指します。

兵庫県南部地震

震度

気象庁|阪神・淡路大震災

 

震源域

淡路島北部から神戸にかけて

観測された震度

震度6:神戸市中央区・洲本市

現地調査による震度

震度7:神戸市東灘区・灘区・中央区・兵庫区・長田区・須磨区、西宮市・芦屋市・宝塚市・津名町・北淡町・一宮町

震度6:神戸市垂水区・北区・西区、尼崎市、明石市、伊丹市、川西市、淡路町、東浦町、五色町

 被害

主な被害

断層が真下を通っていた神戸市や淡路島などで甚大な被害が出ました。近代の大都市が震度7の揺れに襲われたのはこれが初めてで、兵庫県内だけで10万棟以上の建物が全壊する大惨事となりました。また高速道路が横倒しになったほか、鉄道の橋脚が各地で破損しました。しかし幸いなことに新幹線は始発前だったため大きな被害は免れました。さらに、各地で200件を超える火災が発生しました。当時は風が弱かったため延焼は最小限に抑えられましたが、それでも7,000棟近い建物が焼失しました。

 死者・行方不明者

兵庫県を中心に相次いだ建物の倒壊と火災によって6,341人が死亡したほか、3人が行方不明のままとなりました。

なぜ震度7は帯状に分布しているのか?

震度7

気象庁|阪神・淡路大震災

阪神淡路大震災の最大の特徴は、被害が帯状に分布していることです。当時は現地調査委によって詳しい震度を決定していたため、この被害が大きい地域(家屋倒壊率30%以上)が震度7と判定されました。震度7が帯状に分布している理由は2つ考えられています。

活断層の真上

一つ目は震度7が活断層に沿って分布していることからも分かるように、震源域に近いところで局地的に非常に激しい揺れに見舞われたと考えられます。内陸の活断層で発生する地震ではおおむね同じような傾向が見られます。

 

※これまで神戸の直下で活断層が動いたかどうか明確なことは分かっていませんでしたが、最近の研究で活断層が動いたことによるとみられる地盤の隆起が見つかりました。

2つの地震波

しかし、阪神淡路大震災ではほかの地震と比べ物にならないくらい明確に“帯”が現れました。これは“活断層の真上”だけでは説明がつきません。そこで考えられているのが六甲山地沿いに伝わった揺れと、平野の下を伝わった揺れがちょうどぶつかった地域で揺れが強くなったというものです。神戸の地下は柔らかい地層でできていて、2つの地震波がここでぶつかったために揺れが大きくなったと考えられています。

まとめ

阪神淡路大震災では帯状には以外が発生しました。このような地形は日本全国に分布しています。地震波はとても複雑な伝わり方をするため、ちょっとした理由で揺れが大きく増幅されることがあります。想定されている揺れがすべてだと思い込まずに、あらゆる可能性を想定して地震に備えましょう。 

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